GIGAスクールの補助金制度は、種類が多く申請手続きも複雑なため、理解するのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
また、第2期に入り、端末の更新時期を迎える中で、どのような補助金が活用できるのか、気になっている自治体や学校関係者の方も多いはずです。
本記事では、GIGAスクールの補助金制度の概要から支給額の決定方法まで解説しています。
GIGAスクール構想の背景については、以下の記事で解説しています。
>>GIGAスクール構想とは?目的や現状の課題と導入事例を紹介
【速報】令和8年度(2026年度)GIGAスクール補助金の最新情報
第1期のGIGAスクール構想で整備された1人1台端末が更新時期を迎え、令和8年度(2026年度)はいよいよ「NEXT GIGA」と呼ばれる更新フェーズが本格化します。
本記事では、文部科学省が公表した令和8年度予算概算要求をもとに、端末更新・ネットワーク整備・校務DX・生成AI利活用に関する補助金・予算データを整理してご紹介します。
1人1台端末の計画的更新(NEXT GIGA端末更新基金)
第1期で整備された端末が更新時期を迎えるため、都道府県に設置された基金を活用した計画的な端末更新支援が実施されます。
| 項目 | 補助基準・詳細データ |
|---|---|
| 補助基準額 | 1台あたり 5.5万円 |
| 補助率 | 公立:3分の2 / 国立:10分の10(全額) / 私立・日本人学校等:3分の2(※特別支援用の入出力支援装置も補助対象) |
| 予備機整備 | 整備台数の 15%以内 まで補助対象(故障時の代替機確保のため) |
| 調達方式 | 都道府県を中心とした共同調達により、コスト低減と効率化を推進 |
GIGAスクール構想支援体制整備事業(ネットワーク・校務DX)
令和8年度予算では、ネットワークのボトルネック解消や校務のフルクラウド化(次世代校務DX)に向けた予算が、前年度の5億円から37億円へと大幅に拡充されています(補助率:各1/3)。
具体的な支援メニューは以下のとおりです。
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| 支援メニュー | 補助単価 (事業費ベース) |
主な対象・内容 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| ① 次世代校務DX環境の全国的な整備 (システム移行) |
1校あたり 680万円 |
都道府県域での共同調達・共同利用を前提とした、クラウドベースの次世代型校務支援システムへの移行費用。校務系・学習系ネットワークの統合費用などを支援。 | 3分の1 |
| ② 都道府県での準備支援 | 1都道府県あたり 5,000万円 |
帳票統一、ネットワーク環境等の実態調査、ロードマップ策定、RFP(提案依頼書)作成など、整備に向けた各種準備プロセスを支援。 | 3分の1 |
| ③ 学校の通信ネットワーク速度の改善 | 1校あたり 240万円 |
ネットワークアセスメント(診断)の結果を踏まえた、ネットワーク機器の入替えや設定変更などの初期費用を支援(※アセスメント実施済の学校が対象)。 | 3分の1 |
| ④ 学校DXのための基盤構築 (コンサルティング) |
1校あたり 20万円 ※18校未満でも最低360万円として算定 |
教育情報セキュリティポリシーの策定・改定支援、セキュリティリスクアセスメント、端末利活用の専門家支援、共同調達の技術的支援などコンサルタント経費を支援。 | 3分の1 |
生成AI・先端技術の利活用推進
学校現場における最先端技術の安全かつ効果的な活用を検証・推進するための予算です。
- 校務・学習での生成AI利活用調査研究:8億円(前年度2億円から4倍に拡大)
生成AIパイロット校の指定等を通じ、教科横断的な利活用や教員の校務負担軽減のモデルケースを創出。 - 教育データ利活用の加速化(ダッシュボード等):1億円(新規)
教育データの可視化・利活用に関する実証研究や、自治体への伴走支援を実施。 - 先端技術の利活用実証:1億円
エビデンスURL(参考資料)
- 令和8年度GIGAスクール構想・学校DX関係予算概算要求の概要(PDF)
https://www.mext.go.jp/content/250908-mxt_shuukyo01-000044482_007.pdf - 令和8年度 文部科学省 概算要求等の発表資料一覧(公式Webサイト)
https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00003.html - 文部科学省 予算・決算(概算要求)トップページ
https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/index.htm
GIGAスクールの補助金について
GIGAスクール構想における補助金は、主に3つの柱で構成されています。
1つ目は「校内通信ネットワークの整備」、2つ目は「学習用端末等の情報機器の整備」。
そして3つ目は「家庭学習環境や支援体制の整備」です。
- 校内通信ネットワークの整備
- 学習用端末等の情報機器の整備
- 家庭学習環境や支援体制の整備
これらの補助金は、学校のICT環境整備を総合的に支援するものとなっており、それぞれの学校や地域の実情に応じて活用することができます。
いずれの補助金も、申請から交付までの手続きは都道府県を通じて行われ、定められた基準に基づいて支給額が決定されます。
以下、各補助金の具体的な内容について見ていきましょう。


公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金
Society 5.0時代を見据え、文部科学省は全ての児童生徒の教育機会を確保するため、GIGAスクール構想の実現に向けた校内通信ネットワーク整備を支援しています。
本補助金制度は、児童生徒1人1台端末の活用を前提とした高速大容量の通信ネットワーク環境を整備することを目的としています。
▼工事費の内容
小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校に校内LANを新設又は更新するために必要な経費。小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程並びに特別支援学校の小学部及び中学部に電源キャビネットを校内LAN整備と一体として新設又は更新するために必要な経費。
補助率は2分の1となっており、上限額は学校単位で3千万円、下限額については学校設置者単位で400万円が設定されています。
補助対象となる整備内容】
校内LAN整備工事
- 幹線、支線ケーブル(公共ケーブルからの引き込みを含む)
- サーバー、ルーター、ハブ、情報コンセント、ソフト等
- 校内LAN設備の施設整備とともに整備される無線AP ※ センター集約型のネットワーク構成の場合、校内LAN設備の施設整備とともに整備される無線APの施設整備のみを補助対象とする
電源キャビネット整備工事
- 電源キャビネット整備に伴う本工事費
- 電源キャビネット整備に必要な内部改造工事
- 当該事業と一体不可分な附帯工事
出典:
文部科学省「公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金交付要綱」
文部科学省「GIGAスクール構想の実現に関する 補助事業の概要」
公立学校情報機器整備費補助金
文部科学省は、公立学校のICT環境整備を効率的に進めるため、都道府県を中心とした新しい補助の仕組みを導入しています。
これは、各学校が個別に機器を調達するのではなく、都道府県に設置された基金を活用して、地域全体で計画的な整備を進める制度です。
本補助金は、GIGAスクール構想の実現に向けた基金造成を対象としています。
GIGAスクール運営支援センター整備事業
- 補助率: 1/3
- 対象経費: ICT運用支援(ヘルプデスク運営、ネットワークトラブル対応、人材確保・育成など)
ネットワークアセスメント実施促進事業
- 補助率: 1/3
- 対象経費: ネットワークのアセスメント(診断)、改善に伴う応急対応費用
- 補助基準額: 1校あたり 最大100万円
GIGAスクール構想支援体制整備事業
- 補助率: 1/3
- 対象経費
- 学校の通信ネットワーク速度の改善
- 次世代校務DX環境の整備
- 学校DXのための基盤構築
- 補助額計算: 事業単位で1,000円未満を切り捨てて計算
すべての事業において 1/3 の補助率が適用されます。例えば、学校が100万円のネットワーク改善を実施する場合、補助金として 約33万円 受け取れることになります。
出典:公立学校情報機器活用支援体制整備費補助金交付要綱の改正について(通知)

その他補助金
家庭学習のための通信環境整備支援として、以下の補助金制度が整備されています。
| 支援内容 | 補助対象 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| モバイルルーター貸与 | 年収400万円未満の世帯 | 1万円/人 | 国公立:定額、私立:1/2 |
| 通信機器整備(カメラ・マイク等) | 全児童生徒 | 3.5万円/人 | 国立:定額、公立・私立:1/2 |
加えて、学校のICT環境整備を技術面から支援するGIGAスクールサポーターの配置に対する補助金も用意されています。

これにより、ICT機器の運用支援や教員のICT活用指導力向上のためのサポート体制を構築することが可能となるでしょう。
第2期GIGAスクール構想に向けた補助金
GIGAスクール構想は、令和元年度(2019年度)に開始されてから、学校現場での活用が進み、効果が実感されつつあります。
そして、第2期では新たな課題への対応とさらなる発展を目指し、補助金制度を拡充しています。
まず、端末整備に関する支援制度に関する補助金を見ていきましょう。続いて、その他の支援内容についても解説します。

端末整備に関する支援制度
令和2~3年度に整備された「1人1台端末」は、学校現場での活用が進み、効果が実感される一方で、故障端末の増加やバッテリーの耐用年数が迫るなどの課題が生じています。
これに対応するため、文部科学省は持続可能な端末環境の整備に向けた支援を実施しています。
公立学校では、都道府県に5年間の基金を造成し、令和7年度までの更新分(約7割)に必要な経費を計上。補助基準額は1台あたり5.5万円で、予備機は15%以内が補助対象となります。
補助率は公立学校が3分の2、国立学校が10分の10、私立学校および日本人学校等が3分の2です。
また、障害のある児童生徒の学びを保障するため、視覚や聴覚、身体等の障害に対応した入出力支援装置の整備についても支援を実施。
予備機を含めた支援装置の整備に対して、補助率10分の10(全額補助)を適用します。これらの施策により、全ての子どもたちの可能性を引き出す学習環境の実現を目指しています。
出典:文部科学省「総合経済対策及び令和5年度補正予算 (GIGAスクール構想関係)について」

学校ネットワーク環境の高速化支援
文部科学省の調査によると、GIGAスクール構想の推進により、令和6年3月時点で97.8%の普通教室でインターネット接続が可能となりました。
しかし、授業での同時接続時における通信速度が十分でない学校が多く、早急な改善が求められています。
このため、文部科学省では各学校のネットワーク環境を改善する支援制度を設けています。
具体的には、通信状況の測定と分析(1校100万円)、機器の入れ替えや設定変更(1校200万円)、回線契約の見直し(1校40万円)を計上。
また、大規模な改修が必要な場合は1校400万円以上の補助も用意されています。これらの支援により、学校規模に応じた適切なネットワーク環境の整備を進めていきます。
出典:文部科学省「デジタル学習基盤に係る現状と課題の整理(案)」
高等学校における先進的ICT教育推進事業
第2期GIGAスクール構想の一環として、文部科学省は高等学校のICT環境整備を支援する「DXハイスクール」事業への補助金を設けています。
この事業は、高等学校におけるICT活用の高度化と、デジタル人材の育成を目的としています。
補助金の規模は、継続校1,000校に各750万円、新規採択校250校に各1,000万円を予定。
整備内容はハイスペックPCや通信機器整備、理数教育設備、専門人材の派遣など、実践的な教育環境の構築に関わる費用が対象となります。
さらに、半導体等の特定分野に注力する110校を「重点類型」として追加支援を実施。
また、都道府県単位でのプログラミングコンテストや教員研修等の広域的な取り組みにも1,000万円の補助金を設定し、地域全体でのICT教育の質的向上を支援します。
出典:文部科学省「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)について」
GIGAスクール構想における主な補助金の支給額の決定方法
GIGAスクール構想の補助金を申請する場合、自治体は文部科学省の指定通りに手続きを進める必要があります。
申請から交付決定まで標準で30日程度を要し、支給額は自治体の支出予定額と国の基準額を比較して決定されます。
申請を検討している自治体の担当者は、この基本的な流れを理解しておくことが重要です。
また、補助金の種類によって補助率や上限額が異なるため、事前に詳細を確認しておくことをおすすめします。以下、具体的な手続きの流れを見ていきましょう。
- 都道府県教育委員会を経由して文部科学省へ交付申請書を提出
- 必要書類を添えて申請
- 申請内容の審査(標準処理期間30日)
- 交付決定通知の発行
- 運営要領に基づく経費の支出予定額
- 文部科学大臣が必要と認めた額との比較
- 補助率の適用
出典:文部科学省「公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金交付要綱」

GIGAスクール構想の推進により、すべての児童生徒が学習用の端末を活用する環境が整備されました。
しかし、配備されたICT機器を効果的に活用するには、各学校に合わせた支援が必要です。
児童生徒の習熟度に応じた学習を実現する「きめ細かい学習指導」や、クラス全体の学びを深める「協調的な学習支援」など、多様な学習ニーズに対応できるプラットフォームが求められています。
田中電気は、これらの課題解決に必要な機能を一つに集約し、教育現場の実践的な運用をサポートすることで、児童生徒が自らの力で「主体的で創造的な学び」を実現できる環境づくりを支援します。
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