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統合型校務支援システムとは?機能・導入メリットと選び方を解説

PCを操作している学校職員

統合型校務支援システムは、教員の働き方改革を進めるうえで欠かせない仕組みです。

というのも、成績管理や出欠管理といった校務が別々のツールに分かれていると、転記作業だけで膨大な時間が消えていくから。

実際、大阪市ではシステム導入で教員1人あたり年224.1時間もの時間削減を実現しました。

1日に直すと約56分です!

この記事では、統合型校務支援システムの定義から機能、導入効果、失敗しない選び方まで、わかりやすく解説します。

目次

統合型校務支援システムとは?

統合型校務支援システムを使用している女性教員

システムの定義と役割

統合型校務支援システムとは、教務系・保健系・学籍系・学校事務系の機能をひとつにまとめたシステムのことです。

教務系は成績や出欠、保健系は健康診断、学籍系は指導要録…と、これまでバラバラに管理していた情報を一元化できます。

目的は大きく2つ。ITの活用による「教職員の業務負担軽減」と「情報の一元管理・共有」です。

正直言うと、学校の事務作業って外から想像する以上に多いんです。

同じ児童生徒の情報を、名簿に、通知表に、指導要録に…と何度も書き写す。そんな非効率を根本から解消するのが、このシステムの役割です。

導入が推進される背景

背景にあるのは、教員の長時間労働です。これがもう、看過できない状況まで来ています。

持ち帰り仕事を含まない教員の1週間当たりの学内総勤務時間は、小学校で57時間25分、中学校では63時間18分。

一般的な週40時間労働と並べてみると、深刻さが一目瞭然です。

いじめや不登校など、学校が抱える課題は年々複雑化しています。

だからこそ事務作業を減らし、児童生徒と接する時間を確保する。

そのための働き方改革が急務となり、文部科学省や教育委員会を中心に導入が推進されているのです。

統合型校務支援システムの主な機能とできること

教員事務・教育支援機能

教員が日常的に使う機能は、大きく4つに分かれます。

  • 学籍系
  • 教務系
  • 保健系
  • 教育支援

ひとつ目の学籍系では、児童生徒の基本情報の登録や名簿作成、出欠管理、年度処理などができます。

ふたつ目の教務系は、成績管理や通知表・指導要録の作成、時間割管理が中心です。日々の様子や生活情報を記録する「生徒カルテ」も使えます。

3つ目の保健系は、健康診断結果の登録や保健室来室管理、体力テストの集計など。

4つ目の教育支援では、学習履歴を可視化するポートフォリオや授業アンケート、小テストが用意されています。単なる事務処理にとどまらないのが面白いところです。

学校事務機能

全教職員が使う機能としては、次のようなものがあります。

  • グループウェア
  • 勤怠管理
  • 学校徴収金管理
  • 給食管理

グループウェアでは、掲示板やスケジュール共有、施設予約ができます。

職員会議の連絡が掲示板で済むだけで、朝の慌ただしさがずいぶん変わります。

勤怠管理は出退勤を打刻する機能です。

そのほか学校徴収金管理や給食管理まで、学校事務の幅広い業務をカバーしてくれます。

統合型校務支援システム導入のメリット・効果

教職員の業務負担軽減(定量的効果)

導入効果は、数字で見るのがいちばん早いです。先行自治体では、教員1人あたりこれだけの時間削減が報告されています。

自治体教員1人あたりの削減時間(年間)
札幌市103時間
つくば市89.2時間
大阪市224.1時間(1日平均56分)

引用:統合型公務支援システム導入のための手引き P14|文部科学省

大阪市の年224.1時間、驚きの数字ですよね…!毎日56分が戻ってくれば、放課後の教材研究や子どもとの何気ない会話に充てられます。

導入の稟議を上げる立場の方にとって、こうした具体的なデータは強力な説得材料になるはずです。

教育の質の向上と連携強化(定性的効果)

時間削減だけがメリットではありません。効果は3つの視点で整理できます。

  • 児童生徒への効果
  • 教職員への効果
  • 保護者への効果

まず児童生徒への効果。情報共有が進むと、担任以外の先生も一人ひとりを多面的に理解できます。きめ細かな指導や、問題の早期対応につながるわけです。

次に教職員への効果。転記ミスが減り、業務の平準化も進みます。異動時の引き継ぎが楽になり、紙を持ち出さない分セキュリティも向上します。

最後に保護者への効果。日常の記録が蓄積されるので、通知表の所見がぐっと充実します。

メール等でスピーディに情報発信できるため、問い合わせも減少。保護者対応に追われる学校には嬉しい変化です。

導入に向けた課題と失敗しないための解決策

予算の確保と「共同調達・共同利用」

導入の最大の壁は、ずばり予算です。導入しない理由の1位(約46%)が「予算の確保」というデータもあります。

ここで注目したいのが「共同調達・共同利用」という考え方。

都道府県単位など複数の自治体がまとまって調達・利用すれば、1自治体あたりのコストを大きく抑えられます。

あわせて大事なのが、カスタマイズを極力減らすこと。

パッケージの標準機能をそのまま使えば、費用は膨らみません。

「うちの様式に合わせたい」気持ちはわかります。でも、そこをぐっとこらえるのが成功のコツです。

事務体制やノウハウの不足

もうひとつの課題が、調達を進める事務体制や人材の不足です。

要件定義と言われても、何から手をつければいいのか…と戸惑う担当者は少なくありません。

そこで使えるのが、文部科学省が提示する「統合型校務支援システムの基本モデル」です。

これをベースにすれば、要件定義や仕様決定を効率的に進められます。ゼロから作り込む必要はないんです。

統合型校務支援システムの選び方と比較ポイント

選定で見るべきポイントは3つです。

  • 校務のカバー範囲
  • タブレット対応の有無
  • 教育支援機能の有無

ひとつ目は校務のカバー範囲。児童生徒の教育管理だけでなく、備品管理や勤怠管理といった学校事務までどこまで効率化できるかを確認しましょう。

ふたつ目はタブレット対応です。教室にいながらタブレットで出欠入力ができれば、職員室に戻ってPCに打ち込む手間が消えます。専用アプリの有無は要チェック!

3つ目は教育支援機能。蓄積データを分析し、生徒個別の苦手克服や自律学習を促す機能(AI出題など)があるかどうか。

業務効率化の先にある「教育の質」まで見据えるなら、外せない視点です。

おすすめの統合型校務支援システム13選

代表的なシステムをタイプ別に整理しました。

タイプシステム名
教育支援に強みヨリソルmanabaClassi
小中学校向けデジタル校務e3school 校務エキスパートjrWinBird 校務支援データベースC4th
中学・高校向けベネッセ校務クラウド/スコーレV3 クラウドスクールマスターZeusBLEND賢者クラウドツムギノ
大学向け学修成果MOEActive Academy Advance

教育支援に強いのは、ヨリソル、manaba、Classiの3つ。校務の効率化に加えて、学習データの活用まで視野に入れるなら有力候補です。

小中学校向けは、デジタル校務、e3school 校務エキスパートjr、WinBird 校務支援データベース、C4thの4製品。義務教育段階の校務に合った選択肢です。

中学・高校向けは、ベネッセ校務クラウドやBLENDなど6製品と層が厚め。クラウド型の製品も並んでいます。

大学向けには、学修成果MOEとActive Academy Advanceの2つ。高等教育機関で検討する際の候補になります。

自校の規模や運用体制と照らし合わせて、じっくり比較してみてください。

まとめ

統合型校務支援システムは、教員の業務効率化と教育の質向上を同時にかなえる仕組みです。

札幌市や大阪市のように、年間100時間を超える時間削減を実現した自治体が実際にあります。

予算が壁なら、共同調達・共同利用という道もある。

まずは文部科学省の基本モデルと本記事の比較ポイントを手がかりに、自校・自治体に合ったシステム選びを始めてみてください。

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