GIGA第2期、もう「市町村ごとに端末を買う」時代じゃないんです。
今回からは、都道府県単位でまとめて買う「共同調達」が中心。
背景には、文科省が用意した5年間の基金と、1台あたり上限5.5万円の補助があります。
事務負担が軽くなるのは、正直ありがたい話。
でも現場からは「うちのサポート体制、大丈夫かな…?」という声も上がっているのが実情です。
本記事では、第2期共同調達の制度概要から、不参加(オプトアウト)の条件、調達でつまずきやすいポイントまで、まるっと整理していきます。
GIGAスクール構想第2期の「共同調達」とは?

ざっくり言うと、「都道府県でまとめて端末を買いましょう」という制度です。
第1期は市区町村ごとに、それぞれが端末を選んで購入していました。
ところが第2期(原則2024〜2028年度)からは、都道府県に5年間の基金を置き、その基金を使って共同で調達する仕組みに変わったんです。
ポイントは補助の金額。
端末1台あたり、上限5.5万円までが補助の基準額になっています。
現場の担当者からすると、「これでちょっと余裕が出るかも?」というところでしょうか。
共同調達のメリットは、ざっくり次の3つ。
- 事務負担の軽減
- スケールメリットによるコスト低減
- クラウド基盤の共通化
まず、市町村ごとに仕様書を一から作っていた手間が、都道府県側でまとめられます。
これだけで担当者の負担はぐっと軽くなる。次に、まとめ買いなので単価が下がりやすい。
ランニングコストも抑えやすくなります。
さらに、同じ都道府県内でクラウド基盤やノウハウを共有できるので、運用の効率もアップ、というわけですね。
共同調達で基金からの補助を受けるための「要件」

「じゃあ、何でも自由に買えばいいの?」というと、そうではないんですよね。
文科省は、補助を受けるための要件をいくつか定めています。
主な補助要件は以下の通り。
- 共同調達会議への参加
- 最低スペック基準を満たす端末の調達
- 指導者用端末の整備
- Webフィルタリング機能の整備
つまり、都道府県の共同調達会議に参加し、原則として共同調達で整備すること。
文科省が示す「最低スペック基準」を満たした端末を選ぶこと。
教員数分の指導者用端末を用意すること。
そして、児童生徒が使う端末にはWebフィルタリングを入れることが求められます。
ちなみに、指導者用端末は授業だけでなく校務(成績処理や事務作業など)にも兼用できるので、ムダになりません。
さらに、予備機についても、児童生徒数の15%以内であれば、整備に必要な財源が国から措置されています。
「故障時にすぐ代替機を出せるか」は現場の死活問題なので、この点はかなり大きいですね。
共同調達の課題と「オプトアウト(不参加)」の条件
実は、共同調達にも課題はあります。
調達がドカッと大型化・広域化することで、地場の販売店が参加しづらくなる。
そうなると、これまで地元のベンダーに頼っていた、きめ細かな運用サポートが行き届かなくなる懸念があるんです。
「困ったとき、すぐに駆けつけてくれる人がいなくなる…」というのは、現場としてはかなり不安。
加えて、第1期で独自に活用実績を積んできた市町村からは、「うちはうちのやり方でやりたい」という反発の声もあります。
オプトアウトが認められる6つの条件
そこで用意されているのが「オプトアウト(不参加)」という例外措置。
一定の条件を満たせば、共同調達に参加せず、独自に整備することが認められます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 条件1 | 最低スペック基準を上回る、高度な教育用端末の導入が必要 |
| 条件2 | 共通仕様書より低スペックだが、最低基準は満たす端末を導入 |
| 条件3 | 指定都市または同等以上の人口規模の市町村 |
| 条件4 | 年度途中の導入など、やむを得ない事情がある |
| 条件5 | 特定調達契約(WTO協定など)に該当する |
| 条件6 | 他自治体のオプトアウトで、あるOSの調達予定が1自治体のみになった |
ここで強調しておきたいのは、オプトアウトを選んでも、第2期で導入した端末はちゃんと補助金の対象になるということ。
「不参加=補助なし」ではありません。
条件に当てはまる自治体は、独自整備の道を検討する価値が十分にあります。
OS別シェアの傾向と選び方
第2期に入って、OSをどうするかも悩ましいテーマ。
実は、第1期から切り替えを検討している自治体が、全体の2〜3割もあるんです。
予定台数のシェアを見てみると、こんな感じ。
- ChromeOS
- iPadOS
- Windows
数字でいうと、ChromeOSが約57%で圧倒的トップ。
次いでiPadOSが約28%、Windowsは約15%となっています。
背景にあるのは、端末単価の高騰。
クラウドで処理を分散できるChromeOSは、本体スペックを抑えても快適に動きます。
だから、価格を抑えやすい点で人気を集めているわけですね。
「うちはどれにしよう…」と迷うところですが、既存の学習eポータルや校務システムとの相性も含めて、慎重に選びたいポイントです。
調達・導入で失敗しないための留意ポイント
ここからは、調達の実務担当者向けのお話。
仕様書を作るときに、つい見落としがちなポイントをまとめます。
キッティング(初期設定)と古い端末の廃棄
まず、キッティングの実施主体をハッキリさせること。
「メーカーがやるのか、販売店がやるのか」を仕様書に明記しておかないと、納品段階でトラブルになりがちです。
運搬時の梱包も、意外と落とし穴。
集合梱包だと運搬中に傷が付きやすく、個別梱包だと開梱の手間が一気に増えます。
学校への納品場所も、「玄関までか、教室まで運んでくれるのか」で当日の作業量がぜんぜん違う。
そして、古い端末の処分。
これがなかなかのクセモノで、データ消去、廃棄証明の発行、リース返却の手間…。
誰がどこまで負うのかを、最初に決めておかないと、後から「うちじゃない」「いや、そっちでしょ」みたいな水掛け論になります。
予備機の活用と保守内容の適正化
予備機は、棚に置きっぱなしにしておくのは正直NGです。
MDMを含む初期設定を済ませておいて、しかも日常的にメンテナンス利用するのがベスト。
なぜかというと、放置するとバッテリーが劣化して、いざ使うときに動かない…なんて悲劇が起きるからです。
保守契約もしっかりチェック。
修理方法はセンドバック(送って直す)か、オンサイト(来てもらう)か。
配送費は誰が負担するのか。
このあたりを曖昧にしたまま契約すると、後でモメる原因になります。
ネットワークと周辺機器の互換性
意外と盲点なのが、新しい規格との互換性。
「最新のWi-Fi6対応端末を入れたのに、アクセスポイントが古くて全然性能が出ない」とか、「USB Type-Cの周辺機器が学校にない」みたいなケース、現場では結構あるんです。
新規格を選ぶときは、必ずネットワークや周辺機器とセットで検証する。これが鉄則です。
まとめ
GIGA第2期の共同調達は、事務負担の軽減やコストダウンといったメリットが大きい一方で、「現場のサポート体制」「キッティングの段取り」「予備機の運用」など、丁寧に詰めるべき論点もたくさんあります。
制度のレールにただ乗るだけでは、現場はうまく回りません。
教職員の声を反映した、実態に即した調達計画こそが、第2期成功のいちばんのカギ。
仕様書を作るその前に、もう一度現場の声に耳を傾けてみる。
それが、結果的にいちばんの近道になるはずです。

GIGAスクール構想の推進により、すべての児童生徒が学習用の端末を活用する環境が整備されました。
しかし、配備されたICT機器を効果的に活用するには、各学校に合わせた支援が必要です。
児童生徒の習熟度に応じた学習を実現する「きめ細かい学習指導」や、クラス全体の学びを深める「協調的な学習支援」など、多様な学習ニーズに対応できるプラットフォームが求められています。
田中電気は、これらの課題解決に必要な機能を一つに集約し、教育現場の実践的な運用をサポートすることで、児童生徒が自らの力で「主体的で創造的な学び」を実現できる環境づくりを支援します。
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