GIGAスクール構想で、生徒一人ひとりがChromebookを持つ時代。
もし紛失してしまったら、焦りと不安でいっぱいになりますよね。
大切なデータや個人情報も心配です。
しかし、Chromebookの紛失には、適切な対処法と、万が一に備える強力なセキュリティ機能があります。
この記事では、Chromebookを紛失した際にまず何をすべきか、そして学校の管理者が遠隔で行える「無効化」という重要な対策まで、具体的な手順を追いながら詳しく解説します。
この記事を読めば、紛失時の不安が解消され、今すぐやるべきことが明確になるはずです。
Chromebookを紛失した際のやるべきこと

結論から言うと、Chromebookを紛失した際の探す方法は、自力で探す以外に方法がありません。
見当たらない場合は、学校での迅速な対応が必要です。以下に詳しく解説していきます。
学校への速やかな報告
まず、パニックにならずに落ち着いて行動しましょう。記憶をたどり、直前までどこで端末を使っていたか、カバンの中や机の周りなど、心当たりのある場所を徹底的に探してください。
それでも見つからない場合は、ためらわずに、すぐに学校の担任の先生やICT担当の管理者に紛失した旨を報告・相談しましょう。
時間が経つほど、第三者の手に渡るリスクが高まります。迅速な報告が、その後の対応をスムーズにし、セキュリティを守るための第一歩となります。
Chromebookを紛失した際、多くの方がスマートフォンのようにGPSで位置情報を特定できると考えがちです。
しかし、結論から言うと、Chromebook単体でリアルタイムの正確な位置を探すことは困難です。
だからこそ、紛失に気づいた際は、物理的な捜索と迅速な報告が何よりも重要になるのです。
スマートフォンとChromebookの大きな違いは、GPS機能の有無です。ほとんどのChromebookにはGPSが搭載されていません。
そのため、「今どこにあるか」を地図上でリアルタイムに追跡することはできません。これは、紛失したChromebookを探す上での最も大きな制約です。Wi-Fiの接続情報から大まかな場所がわかる可能性はゼロではありませんが、位置情報の精度は低く、確実な捜索方法とは言えません。
Googleアカウントの「デバイスを探す」機能について
Googleには「デバイスを探す」という機能がありますが、これは主にAndroidスマートフォン向けです。Chromebookの場合、この機能でできることには限りがあります。
この機能で確認できるのは、そのChromebookが最後にオンラインになり、Googleアカウントと同期したおおよその場所と時間です。
つまり、最後にインターネットに接続した場所のヒントにはなりますが、リアルタイムの追跡はできません。あくまで補助的な情報として捉え、過度な期待はしないようにしましょう。
【学校管理者向け】Google管理コンソールによる紛失対策と遠隔操作

生徒からChromebookの紛失報告を受けたら端末を無効にしなければなりません。
Google管理コンソールを利用すれば、紛失した端末を遠隔で操作し、不正利用や情報漏洩を防ぐことが可能です。
これは、Chrome Education Upgradeに含まれており、端末のセキュリティを確保する上で重要な機能です。
紛失したChromebookを「無効化」する手順
最も重要な操作が、端末の「無効化」です。
これにより、そのChromebookはインターネットに接続されると自動的にロックされ、誰もログインできなくなります。
【無効化の手順】
- Google管理コンソールに管理者アカウントでログインします。
- メニューから [デバイス] > [Chrome] > [デバイス] に移動します。
- 対象の生徒が使用しているChromebookのシリアル番号を見つけ、選択します。
- 左上の [無効にする] をクリックし、確認画面で再度 [無効にする] をクリックします。
この操作により、端末は完全に利用不可となり、画面には管理者が設定したメッセージが表示されるようになります。
操作 | 効果 | 注意点 |
ロック画面(無効化) | 端末を完全にロックし、使用できなくする。管理者が設定したメッセージを表示できる。 | 端末が見つかれば「再有効化」して元通り使える。 |
出荷時の設定にリセット | 端末上の全データを消去し、工場出荷状態に戻す。 | データは復元できない。紛失・盗難時には推奨されない。 |
ロック画面に「返却先メッセージ」を表示させる方法
端末を無効化する際、ロック画面にメッセージを表示させる設定が非常に有効です。善意の第三者が拾ってくれた場合に、スムーズな返却につながる可能性があります。
【メッセージ表示の設定手順】
- Google管理コンソールで [デバイス] > [Chrome] > [設定] > [デバイス] に移動します。
- [デバイスの無効化] 設定項目を探します。
- [無効化されたデバイスの画面に表示するメッセージ] の欄に、「このChromebookは〇〇学校のものです。拾われた方はお手数ですが下記までご連絡ください。電話番号:xx-xxxx-xxxx」といった具体的な情報を入力します。
- 保存すれば、無効化された端末のロック画面にこのメッセージが表示されます。
紛失に備えた事前設定
紛失はいつ起こるかわかりません。万が一に備え、以下の設定を事前にしておくことで、セキュリティを大幅に強化できます。
- ワイプ後にデバイスを自動再登録: 仮に端末が初期化(ワイプ)されても、インターネット接続時に自動で再度組織の管理下に登録されます。これにより、管理外になることを防ぎます。
- ゲストモードを無効にする: ゲストモードからの利用を禁止し、許可されたアカウント以外での利用をブロックします。
- ログインをリスト内のユーザーのみに制限する: ログイン制限をかけ、指定した生徒や教員のアカウント以外ではログインできないようにします。これにより、不正なアカウントでの利用を防ぎます。
これらの自動再登録や利用制限の設定は、紛失・盗難時のリスクを最小限に抑えるための生命線です。
無効化されたChromebookの「再有効化」手順
無事、紛失したChromebookが見つかった場合は、管理者が簡単な操作で再び使えるようにできます。
【再有効化の手順】
- Google管理コンソールで、無効化した際と同じように対象のデバイスを選択します。
- 左上に表示される [再有効化] をクリックします。
- 確認画面で再度 [再有効化] をクリックすれば、端末は元の状態に戻り、ログインが可能になります。
Chromebookの紛失を防ぐための日頃からの対策
最も効果的な紛失対策は、日頃から端末を大切に扱い、なくさないように意識することです。高度な機能に頼る前に、基本的な行動を見直すことが最善の対処法と言えます。
個人でできるセキュリティ意識と物理的対策
生徒一人ひとりがセキュリティ意識を持つことが、Chromebookの紛失やトラブルを防ぎます。
- パスワードの管理: パスワードは他人に教えず、定期的に変更しましょう。
- 置き場所を決める: 家では必ず同じ場所に保管する、学校では机の中やロッカーにしまうなど、定位置管理を徹底します。
- 持ち運びにはケースを利用: 衝撃から守るだけでなく、カバンの中で他の物と紛れるのを防ぎます。
- 公共の場では目を離さない: 図書館やカフェなどで利用する際は、席を立つときに必ず一緒に持ち歩きましょう。
こうした小さな心がけが、大きなトラブルを防ぎます。
まとめ
Chromebookを紛失した際の探し方と対処法について解説しました。
重要なポイントは以下の通りです。
- ChromebookにはGPSがなく、スマホのようにリアルタイムで探すことはできない。
- 紛失に気づいたら、まず身の回りを探し、すぐに学校の管理者に報告・相談することが最優先。
- 学校の管理者はGoogle管理コンソールを使い、端末を**遠隔で「無効化」**し、情報を保護できる。
- 弁償の有無は学校のルールや保険の加入状況によるため、保護者は事前に確認しておくことが大切。
結論として、Chromebookの紛失対策は、学校側による「事前準備(セキュリティ設定)」と、利用者(生徒・保護者)による「迅速な対応(報告)」の二つがポイントです。
日頃から端末を大切に扱う意識を持つと共に、万が一の際のルールを親子で共有しておくことが、安心して学びを続けるための最も確実な方法です。