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情報活用能力とは?必要な理由と3観点と8要素についても詳しく解説

情報活用能力

現代社会では、膨大な情報の中から必要なものを選び、活用する「情報活用能力」が不可欠です。


文部科学省も学習指導要領において、この能力を「学習の基盤となる資質・能力」として明確に位置づけています。


本記事では、情報活用能力の定義から重要性、教育現場での育成方法まで、教育者の視点から徹底的に解説します。


子どもたちが情報化社会を生き抜くための必須スキルを、どのように育むべきか一緒に考えていきましょう。

目次

情報活用能力とは

情報活用能力とは、様々な情報から必要なものを選び、適切かつ効果的に活用して問題解決に取り組む力のことです。この概念はアメリカの図書館教育で誕生した「information literacy(情報リテラシー)」を基にしています。

文部科学省では「世の中の様々な事象を情報とその結び付きとして捉え、情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して、問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていくために必要な資質・能力」と定義しています。

この能力はコンピュータスキルに限定されず、情報を得たり、整理・比較したり、わかりやすく発信・伝達したりする総合的な力を指します。学習指導要領においても「学習の基盤となる資質・能力の一つ」として重要視されているのです。

小学校から育む情報活用能力

特に小学校段階からこの能力を育むことは、子どもたちの将来にとって非常に重要です。低学年では情報に触れる経験を、中・高学年では情報を分析・整理する力を段階的に養っていくことが望ましいでしょう。

情報活用能力が必要な理由

現代社会で情報活用能力が特に重要視される理由は複数あります。まず、予測困難な社会において子どもたちが主体的に問題解決に取り組むための基礎力となるからです。変化の激しい現代では、常に新しい情報が生まれ、情報技術も進化し続けています。

このような環境下で、児童生徒が自ら情報を収集し、その真偽を見極め、適切に活用する力は必須といえるでしょう。さらに、情報活用能力は生涯にわたる学習の基盤となる力です。学校教育を終えた後も、社会人として常に学び続けることが求められる時代において、この能力は新しい知識やスキルを効果的に身につけるための土台となります。

また、教科横断的な学びを支える役割もあります。各教科の学習において情報活用能力を活用することで、より深い理解や主体的・対話的で深い学びを実現できるのです。

デジタル社会を生きる子どもたちにとって、情報を適切に扱う能力は、単なるスキルではなく「生きる力」そのものです。教育者には、この能力を育成する指導法の確立が強く求められています。

情報活用能力の3観点

情報活用能力は、文部科学省が定義する「3観点8要素」の枠組みに基づいて体系的に整理されています。この枠組みは教育現場における指導計画の立案や評価の基準として重要なものです。

参考:https://www.mext.go.jp/content/20200608-mxt_jogai01-000003284_003.pdf

情報活用の実践力

情報活用の実践力とは、課題や目的に応じて情報手段を適切に活用し、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造する能力を指します。また、受け手の状況などを踏まえて情報を発信・伝達する力も含まれます。

この観点は具体的に以下の3つの要素から構成されています。

  1. 課題や目的に応じた情報手段の適切な活用:児童生徒が学習活動において、課題解決のために必要な情報手段(図書資料、インターネット、ICT機器など)を選択し、効果的に活用できる能力です。
  2. 必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造:様々な情報源から必要な情報を収集し、その信頼性や適切性を判断して、整理・分析・加工し、新たな情報や知識を創り出す能力を指します。
  3. 受け手の状況などを踏まえた発信・伝達:相手や状況に応じて、わかりやすく効果的に情報を伝える能力です。プレゼンテーションや文書作成などの技能が含まれます。

情報の科学的な理解

情報の科学的な理解とは、情報活用の基礎となる情報手段の特性を理解し、情報を適切に扱うための基礎的な理論や方法を理解する力です。

この観点は次の2つの要素から構成されています。

  1. 情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解:コンピュータなどの情報機器の基本的な仕組みや特性を理解する能力です。情報技術の長所と短所を認識し、適切に活用するための基礎知識が含まれます。
  2. 情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解:情報の整理・分析・表現の方法や、情報セキュリティの基本概念など、情報を効果的に扱うための理論や手法を理解する能力です。

情報社会に参画する態度

情報社会に参画する態度とは、情報や情報技術が社会で果たす役割や影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考える姿勢を指します。

この観点は以下の3つの要素から構成されています。

  1. 社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解:情報化の進展が社会や個人に与える影響を理解し、情報社会の特性を認識する能力です。
  2. 情報モラルの必要性や情報に対する責任についての考え方:著作権尊重、個人情報保護、セキュリティ対策など、情報社会において適正な活動を行うための基本的な考え方を身につけることです。
  3. 望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度:情報社会の一員として、よりよい社会の実現に向けて主体的に行動する姿勢を育むことを指します。

これら「3観点8要素」は相互に関連し合いながら、総合的な情報活用能力を形成します。教育現場では、児童生徒の発達段階に応じて、これらの要素をバランスよく育成していくことが重要です。学校全体での計画的な指導と、各教科等での実践的な活動を通して、子どもたちの情報活用能力を着実に高めていきましょう。

情報活用能力を身につける方法

情報活用能力を効果的に身につけるためには、系統的かつ計画的な指導が不可欠です。教育現場で実践できる具体的なアプローチを見ていきましょう。

教科特性を活かした指導

各教科の特質に応じた適切な学習場面で育成を図ることが重要です。例えば国語の授業では文章の読解や情報収集、算数の授業ではデータの分析など、教科の特性を活かして情報活用能力を育成していくことが効果的です。一つの教科に限定せず、教科横断的な視点で指導計画を立てることが望ましいでしょう。子どもたちが様々な角度から情報と向き合う経験を通して、多面的な情報活用能力を育むことができます。

段階的・計画的な育成

小中9年間を見通した段階的な育成が重要です。情報活用能力は一朝一夕に身につくものではなく、児童生徒の発達段階に応じて計画的に育成していく必要があります。低学年では基礎的な情報収集や整理の経験を、中学年では比較・分析の力を、高学年では批判的思考を育むなど、段階を踏んだ指導が効果的です。校種を超えた連携により、一貫性のある指導を実現しましょう。

実践的な活用機会の創出

学んだ情報活用能力を実際に発揮させる機会を積極的に設けることが大切です。調べ学習の発表やプレゼンテーション、グループワークなどの活動を通して、情報活用能力を実践的に活用させることで、より確実に定着させることができます。「総合的な学習の時間」などを活用し、教科で学んだ情報活用スキルを総合的に発揮できる場を意図的に設定することが教育者には求められているのです。

情報活用能力の事例

https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500100/jyouhouka/d00213120_d/fil/joukatsuichiran.pdf

まとめ

本記事では、情報活用能力の定義から3観点8要素の枠組み、育成方法、具体的な実践事例まで徹底的に解説しました。情報活用能力は、単なるICTスキルではなく、情報を収集・分析・評価・表現し、問題解決に活用する総合的な能力です。この能力は学習指導要領において「学習の基盤となる資質・能力」として明確に位置づけられています。

教育者の皆様には、各教科の特性を活かしながら、発達段階に応じた段階的・計画的な指導をお願いします。学校全体で情報活用能力育成のビジョンを共有し、教科横断的な取り組みを展開することが効果的です。また、実践例を参考に自校の状況に合わせたアレンジを行い、子どもたちが情報社会を主体的に生き抜く力を育んでください。

情報活用能力は、これからの予測困難な時代を子どもたちが力強く歩んでいくための重要な武器となります。教育者の皆様の実践が、次世代を担う子どもたちの「生きる力」を育むことを願っています。

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