導入までの道のり
京都市立京都工学院高等学校 ICT管理部主任 上野様に、インタビューをさせていただきました。
京都市立京都工学院高等学校は、2016年に京都市立洛陽工業高等学校と京都市立伏見工業高等学校の統合により開校した学校です。
開校時からICT設備を整え、iPadを使用した授業を進めています。
今年度入学生から、田中電気よりiPadを導入していただきました。
―――導入までの道のりを教えてください。
学校統廃合のタイミングで、全員に端末を持たせるということは決まっていました。
入学前の広報から、新しいこの学校では「全館Wi-Fi環境を整備し、一人一台iPadを購入してもらいそれを活用して学習します」と謳っていたため、保護者の方の理解が得られないといった問題もなく、導入はスムーズにできました。
―――今年から田中電気から端末を導入していただきましたが、田中電気を選んでいただいた理由を教えてください。
端末が少し安く購入できる点と、保証サービスが優れていたからです。
本校では、iPadを入学時の必要物品、教材として一括で購入していただいております。実習服や実習材料代など他にも色々と購入する必要がある中、iPadの購入も必須となると負担が大きくなってしまうため、少しでも安く購入できるという点は非常に重要でした。
iPad導入から9年。多くの教員が積極的に活用しています。
―――1人1台の生徒用端末をiPadにした理由を教えてください。
工業系の学校のため、iPadにするかノートパソコンにするかは最後まで議論をしていました。
プログラムやCADの勉強をするときにはiPadでは性能不足なので、パソコンが必要になるのですが、普段の授業で利用する際は、バッテリーの持ちや起動の速さなど、手に取ってすぐ使えるということを考えるとiPadの方が優れていると判断しiPadに決定しました。
―――導入後の校内の様子・授業での活用方法について教えてください。
今年でiPadを導入してから9年目になります。
初めは教員も使い慣れていなかったため、意識的に活用を促したり、教材の使い方に関する研修会を開いたりしていました。
先生ごとに活用方法は様々ですが、今は年配の先生も積極的にiPadを活用しています。
特に、提出物の収集や配布は直感的で簡単にできるため、多くの先生が活用しています。
―――先生方はiPadになって楽になった部分は多いですか?
一長一短です。授業中にタブレットを立てていたら、なにをしているかわからず指導が増えるというデメリットもあります。
管理ツールを入れたら楽になるのかもしれませんが、そういった部分は自分でコントロールをできるようにならないといけないと思っています。
導入当初は、MDM(モバイルデバイス管理)を入れて、管理ができる状態にしていましたが、今はMDMを入れず、使い方も生徒たちに任せる方向で本校では運用しております。
―――iPadについて感じられている良さ、あるいは課題などはありますか。
iPadはすぐに起動して気軽に使える点が非常に便利だと感じています。
また、生徒の多くがiPhoneを使用しているため、iPadの操作にも抵抗がないようです。
―――工業高校ならではの活用方法はありますか?
ものづくりの際に、Teamsを利用してグループ内で情報を共有しています。
ものづくりは、グループでアイデアを出し合い、進捗を共有しながら進めていくことが大切だと考えています。そのため、トークルームなどを活用して、そういったやりとりを進めてほしいと思っています。
今後の展望について
―――最後に今後の利活用と展望について教えてください。
今のまま活用が進むといいなと思っています。
現在は、iPadを使ってください、活用してくださいという段階は終わっているので、今のまま学校全体で活用が進み、さらには生徒たちが自ら活用できる仕組みづくりを行っていければと思っています。
今後も、「iPadでなくてもいいのではないか」「学校で一括購入する必要があるのか」といった意見がまだまだあるため、検討は続けていかないといけないと思っています。
【お客様プロフィール】
京都市立京都工学院高等学校 様
所在地:京都市伏見区深草西出山町23番地
指導理念:京都市立京都工学院高校は、「科学技術 × 夢=∞(Infinity)」を掲げ、工学系の人材を育成することを目的に設立されました。令和5年度には、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、「世界で活躍するホモ・ファーベル (工作人)を育成するための研究開発」をテーマに、先進的な教育活動に取り組んでいます。