教育現場で1人1台端末が普及した今、次の課題として浮上しているのが「教育データ利活用」です。
子どもたち一人ひとりの学習履歴や生活記録をどう活かすか、個人情報保護との両立はどうするのか、現場では多くの疑問が生まれています。
本記事では、文部科学省の最新ガイドラインや令和6年版の資料、先進自治体の実践事例をもとに、教育データ利活用の仕組みからメリット、具体的な導入ステップまで、実務に役立つ情報を詳しく解説していきます。
教育データ利活用の目的は個別最適な学びと校務負担軽減
教育DXはデータ活用による価値創出段階へ移行
GIGAスクール構想により、全国の小中学校で1人1台端末の整備が完了しました。現在の教育現場は、単なるデジタル化から、データを活用して新たな価値を創出する教育DXへの移行段階にあります。
令和6年の文部科学省資料によると、端末の配備率は目標を達成したものの、その先にある「データを使って何を実現するか」という段階への移行が急務とされています。子どもたちが端末で学習する過程で生まれる膨大なデータを、どのように教育の質向上につなげていくのか。この問いに答えることが、教育データ利活用の本質的な目的となっています。
教育DXの推進においては、単なるICT機器の導入ではなく、データに基づいて教育実践を改善し続けるサイクルの確立が求められているのです。文部科学省は、このデータ活用を通じた教育の質的変化を、次世代の学びの基盤として位置づけています。
指導改善と教員の働き方改革を同時に実現
教育データ利活用が目指す目的は、大きく分けて二つの側面があります。
一つは子どもたちへの指導改善、もう一つは教員の働き方改革です。
子どもたちへの指導面では、「個別最適な学び」の実現が最大の目標となっています。
従来の一斉授業では把握しきれなかった一人ひとりの理解度や学習のつまずき、興味関心の傾向などを、学習履歴データから可視化することで、その子に最適な指導や教材提供が可能になります。
不登校傾向の早期発見や、特別な支援が必要な子どもへの適切な対応にも、データ分析が大きな力を発揮します。
一方で、教員の長時間労働が深刻な社会問題となっている現状において、校務負担の軽減も重要な目的です。
紙ベースで行われてきたアンケート集計、成績処理、各種報告書作成などの事務作業を、デジタルデータの活用によって大幅に効率化できます。
教員が子どもと向き合う時間を増やすためにも、データによる業務改善は欠かせません。
さらに、教育現場ではEBPM(Evidence Based Policy Making:証拠に基づく政策立案)の考え方が重視されるようになっています。
「なんとなく」ではなく、データに裏付けられた根拠をもとに教育施策を立案し、その効果を検証していく。
こうした科学的なアプローチが、教育の質を持続的に向上させる鍵となっているのです。
国の教育データ基盤はルール・ツール・分析の3要素で構成
データ標準化と共通ツールで地域格差を解消
文部科学省が推進する教育データ利活用は、3つの要素が一体となって機能する仕組みとして設計されています。
それぞれの要素が欠けても、効果的なデータ活用は実現できません。
1. ルール:データの標準化と利用規程
教育データを効果的に活用するためには、まずデータの形式や項目を統一する必要があります。
自治体や学校ごとにバラバラのフォーマットでは、データの比較や分析が困難になってしまいます。
文部科学省は、学習eポータル標準モデルなどを通じて、教育データの標準化を推進しています。
また、個人情報保護法に基づく適切な利用ルールの整備も、この基盤の重要な要素です。
利用目的の明示、同意取得の手続き、セキュリティポリシーの策定など、法令を遵守しながらデータを活用するための枠組みが整備されています。
2. ツール:データ収集・蓄積の基盤システム
標準化されたルールに基づいて、実際にデータを収集・蓄積するためのツールが必要です。
国は、MEXCBT(メクビット)やEduSurveyといった全国共通の基盤ツールを開発し、無償で提供しています。
これらのツールを活用することで、自治体の財政規模に関わらず、すべての学校が同じレベルのデータ基盤を利用できるようになります。
各学校や教育委員会が独自にシステムを開発する必要がなく、地域間格差の解消にもつながっています。
3. 分析:データを活用した現場への還元
収集したデータを分析し、実際の教育現場に還元する仕組みが第三の要素です。
ダッシュボードと呼ばれる可視化ツールを通じて、教員や管理職が必要な情報を直感的に把握できるようにしています。
単にデータを集めるだけでなく、「このデータから何が読み取れるのか」「次にどんな手立てを打つべきか」という実践的な判断につなげることが重要です。
文部科学省は、分析結果を授業改善や生徒指導に活かした好事例を収集し、全国の学校と共有する取り組みも進めています。
MEXCBT は公立中学校のほぼ全てが登録済み
MEXCBT(メクビット)は、文部科学省が開発したCBT(Computer Based Testing)システムです。
従来の紙のテストをデジタル化し、オンラインで問題配信から採点、結果分析までを一貫して行えるプラットフォームとして、全国の学校で急速に普及が進んでいます。
令和6年の最新データによると、公立中学校のほぼすべてがMEXCBTに登録しており、実際の活用も着実に広がっています。
全国学力・学習状況調査の一部科目でMEXCBTを利用した実施が検討されるなど、教育評価の重要な基盤として位置づけられるようになりました。
MEXCBTの大きな特徴は、国や自治体が作成した問題を自由に利用できることです。
教員が一から問題を作成する必要がなく、既存の良質な問題を組み合わせて、目的に応じたテストを短時間で作成できます。
また、児童生徒が家庭学習で利用することも可能で、学校での学びと家庭での復習をシームレスにつなぐツールとしても機能しています。
採点の自動化により、教員の負担軽減効果も顕著です。
特に選択式問題では、提出と同時に採点が完了し、即座に結果を確認できます。記述式問題についても、AIによる採点支援の研究が進められており、今後さらに効率化が期待されています。
さらに、MEXCBTで蓄積された解答データは、児童生徒の理解度を経年で追跡する「学習ログ」として活用されます。どの単元でつまずいているか、どのような問題が苦手かといった情報を可視化することで、一人ひとりに応じた指導計画の立案が可能になるのです。
EduSurvey で集計業務の負担が約6割軽減

EduSurveyは、学校や教育委員会が実施する各種アンケートや調査をオンラインで行うためのシステムです。
従来、紙のアンケートを配布し、回収して手作業でエクセルに入力して集計するという煩雑な作業が、教員の大きな負担となっていました。
EduSurveyの導入により、この業務プロセスが劇的に変化しています。
児童生徒や保護者がスマートフォンやタブレットから直接回答でき、回答データは自動的に集計されます。
文部科学省の調査によると、EduSurveyを導入した自治体の約6割が、集計業務の負担軽減を実感していると報告されています。
特に効果が大きいのは、全国一斉に実施される調査です。
文部科学省が実施する「全国学力・学習状況調査」の質問紙調査などで、EduSurveyが活用され始めています。
従来は紙の調査票を印刷して配送し、回収後に業者が入力するという工程に数週間を要していましたが、オンライン実施により大幅な時間短縮が実現しました。
また、EduSurveyは学校独自のアンケート作成にも対応しており、生徒の学校生活満足度調査、保護者向けの学校評価アンケート、教員向けの研修ニーズ調査など、様々な場面で活用されています。
回答状況をリアルタイムで確認できるため、未回答者への催促も効率的に行えます。
集計結果はグラフや表で自動的に可視化され、経年変化の分析も容易です。
「今年度の不登校に関する意識は、昨年度と比べてどう変化したか」といった分析を、専門的な統計知識がなくても行えるようになっています。
こうした機能により、学校運営における意思決定の質が向上し、より効果的な教育施策の立案が可能になっているのです。
データ利活用の導入は目的設定から始める4ステップ
教育データの利活用を実際に始めるにあたって、文部科学省は「教育データ利活用のステップ(β版)」として、自治体や学校が取り組むべき手順を明示しています。
このステップに沿って進めることで、混乱を避けながら効果的なデータ活用が実現できます。
目的の明確化
まず最初に、「何のためにデータを使うのか」という目的を明確にすることが重要です。
「学力向上」「不登校の早期発見」「授業改善」など、具体的な課題を設定します。目的が曖昧なまま闇雲にデータを集めても、有効な活用にはつながりません。
学校や教育委員会内で、データ活用の優先課題について十分に議論し、合意形成を図ることが第一歩となります。
必要なデータの選定
目的が明確になったら、その目的達成に必要なデータを選定します。
学力向上が目的であれば、テストの正答率データやMEXCBTの学習履歴が必要になるでしょう。
不登校対策であれば、出席状況データや生活アンケートの結果が重要になります。
すべてのデータを集めようとするのではなく、目的に照らして必要十分なデータに絞り込むことが、効率的な運用の鍵です。
利活用パターンの選択
データの利活用には、大きく分けて3つのパターンがあります。
自治体や学校の状況に応じて、適切なパターンを選択することが重要です。
- 単一ツール活用型
- 複数ツール連携型
- 統合システム構築型
単一ツール活用型は、MEXCBTやEduSurveyなど、一つのツールだけを使ってデータを収集・分析するパターンです。導入の難易度が低く、まず小さく始めたい学校に適しています。
複数ツール連携型は、学習eポータルを経由して複数のデジタル教材やツールのデータを統合的に扱うパターンです。より多角的な分析が可能になりますが、データ形式の標準化や連携設定が必要になります。
統合システム構築型は、自治体独自の教育データプラットフォームを構築し、校務支援システムや学習系システムなど、すべてのデータを一元的に管理・分析するパターンです。
最も高度な活用が可能ですが、予算や専門人材の確保が課題となります。
文部科学省は、まずは単一ツール活用型から始めて、段階的に高度化していくことを推奨しています。
一度にすべてを完璧にしようとせず、小さな成功体験を積み重ねながら、自治体の実情に合わせて発展させていくアプローチが現実的です。
ダッシュボードで不登校や学級満足度を可視化
データを収集しても、教員や管理職が直感的に理解できる形で提示されなければ、実際の指導改善には結びつきません。
そこで重要な役割を果たすのが、ダッシュボードと呼ばれるデータ可視化ツールです。
令和6年の文部科学省資料では、先進的な自治体でのダッシュボード活用事例が紹介されています。
例えば、不登校傾向の把握では、各児童生徒の出席状況を色分けして表示し、連続欠席や遅刻早退の増加など、気になるパターンを視覚的に把握できるようにしています。
担任教師が毎朝このダッシュボードを確認することで、早期の声かけや家庭連絡が可能になり、深刻化する前の対応につながっています。
学級満足度の可視化も効果的な活用事例です。
Q-Uなどの心理検査結果をダッシュボードに表示し、学級全体の状況や個々の児童生徒の変化を時系列で追跡できるようにしています。
「前回の調査と比べて満足度が低下している生徒は誰か」「支援が必要な層はどのくらいいるか」といった情報が一目で分かり、生徒指導や学級経営の改善に直結しています。
学力面では、単元別の正答率をグラフで表示し、学級や学年全体の傾向を把握できるダッシュボードが活用されています。
「この単元は8割の生徒が理解できているが、この単元は半数が未習得」といった情報から、重点的に復習すべき内容を判断できます。
個人別のダッシュボードでは、その子の得意分野と苦手分野が可視化され、個別の学習計画立案に役立てられています。
特筆すべきは、自治体間でダッシュボードを共有する「横展開」の動きです。
ある自治体が効果的なダッシュボードを開発したら、その設計や活用ノウハウを他の自治体と共有し、各地で同様の取り組みを展開できるようにしています。
文部科学省もこうした好事例の収集と発信に力を入れており、自治体が一から開発する負担を軽減しながら、全国的なレベルアップを図っています。
ダッシュボードの効果は、教員の意識改革にも及んでいます。
従来は「なんとなく」感じていた学級の課題が、データとして明確に示されることで、より客観的で説得力のある対応が可能になります。
保護者や管理職への説明も、根拠を持って行えるようになり、教育実践の質的向上につながっているのです。
個人情報保護は利用目的の明示と同意取得が基本

留意事項で目的外利用の制限を明確化
教育データの利活用を進める上で、最も慎重な対応が求められるのが個人情報保護の問題です。
児童生徒の学習記録や生活の様子は、極めてセンシティブな個人情報であり、適切な管理と利用のルールが不可欠です。
文部科学省は、「教育データの利活用に係る留意事項」を策定し、現場が守るべき原則を明示しています。
この留意事項は、個人情報保護法の理念を教育現場の実情に即して具体化したもので、令和6年時点で第3版まで改訂が重ねられています。
最も重要な原則は、利用目的の明示と本人への通知です。
どのようなデータを、何のために収集・利用するのかを、児童生徒本人および保護者に対して明確に説明する必要があります。
「授業改善のため」「個別支援のため」といった抽象的な説明ではなく、「テストの正答率データを分析し、理解が不十分な単元の補習を行う」といった具体的な記述が求められます。
目的外利用の制限も厳格です。
学力向上のために収集したデータを、本人の同意なく進路指導に使用するといった行為は認められません。
当初の目的と異なる用途で使用する場合は、改めて本人の同意を得るか、法令で定められた例外事由に該当するかを慎重に判断する必要があります。
データの第三者提供についても、明確なルールが設定されています。
教育委員会が学校から児童生徒のデータを収集する場合や、民間の学習支援サービスとデータを連携させる場合など、組織をまたいでデータを移動させる際には、その必要性と安全管理措置を十分に検討しなければなりません。
留意事項では、匿名加工情報の活用も推奨されています。
個人が特定できないように加工したデータであれば、より自由度の高い分析や研究への活用が可能になります。
ただし、匿名加工の水準や、再識別のリスク評価など、専門的な知識が必要な領域でもあります。
セキュリティポリシーの策定も必須の取り組みです。
データの保管方法、アクセス権限の設定、外部への持ち出し制限、廃棄手順など、技術的・組織的な安全管理措置を文書化し、全教職員に周知徹底することが求められています。
文部科学省の留意事項は、単なる「やってはいけないこと」のリストではありません。
むしろ、「適切な手続きを踏めば、こういう活用ができる」という、前向きな利活用のための指針として機能しています。
現場の教員が萎縮せず、かつ法令を遵守しながらデータを活用できるよう、実務的な判断基準を提供しているのです。
国による一元管理ではなく分散管理が基本方針
教育データの利活用が議論される際、しばしば「国がすべての子どもの情報を一元管理するのではないか」という懸念が示されます。
この点について、デジタル庁の公式Q&Aは明確に誤解を否定しています。
日本の教育データ利活用の基本方針は、分散管理と連携です。
つまり、各学校や教育委員会が自らのデータを管理し、必要に応じて標準化された形式で連携するという仕組みであり、国が全国の児童生徒データを一つのデータベースに集約することはありません。
この分散管理の原則には、明確な理由があります。
第一に、プライバシー保護の観点です。膨大な個人情報を一か所に集中させることは、情報漏洩のリスクを高めます。また、国による子どもの監視や選別につながるのではないかという、民主主義社会としての根本的な懸念もあります。
デジタル庁のQ&Aでは、「内心の可視化」や「悪意あるプロファイリング」といった、データの不適切な利用を明確に否定しています。
児童生徒の思想・信条に関わる情報を収集したり、特定の属性による差別的な扱いをするためにデータを使用することは、法令上も倫理上も許されません。
それでは、なぜデータの標準化や連携が必要なのでしょうか。
それは、転校時の学習記録の引き継ぎや、複数の自治体をまたぐ教育効果の比較研究など、正当な目的のためにデータをやり取りする必要があるからです。
標準化されたフォーマットがあれば、こうした連携が技術的に可能になります。
重要なのは、データ連携の際にも個人情報保護の原則が貫かれていることです。
例えば転校の際、新しい学校に引き継ぐ情報は、本人や保護者の同意のもと、教育上必要な範囲に限定されます。
転校前の学校が持っていたすべてのデータが自動的に移行されるわけではありません。
マイナンバーとの関係についても、しばしば質問が寄せられます。
デジタル庁は、教育データとマイナンバーを直接紐づけることは想定していないと明言しています。
マイナンバー制度は、主に行政手続きの効率化を目的としており、教育の現場で日常的に使用するものではありません。
こうした説明にもかかわらず、不安が完全に払拭されないのは、一度構築されたシステムが将来どう運用されるか分からないという懸念があるためです。
だからこそ、法令による厳格な制限と、継続的な監視・検証の仕組みが重要になります。文部科学省やデジタル庁は、有識者会議や審議会での議論を通じて、透明性の高い政策形成を進めるとともに、現場や保護者からの意見を丁寧に聴取する姿勢を示しています。
データ利活用の推進と個人情報保護は、対立するものではなく、両立させるべき価値です。
適切なルールと技術的な安全措置があってこそ、教育データは子どもたちの学びを豊かにする資源となるのです。
生成AIは個別最適な学びと校務効率化の両面で活用
ガイドライン改訂で教育利用と校務利用を整理
令和6年に入り、教育現場における生成AIの活用が新たな局面を迎えています。
ChatGPTをはじめとする生成AIツールの急速な普及を受けて、文部科学省はその教育利用に関するガイドラインの策定と改訂を進めています。
生成AIと教育データ利活用の接点は、大きく2つの領域で注目されています。
一つは教育利用、つまり児童生徒の学習支援ツールとしての活用です。
もう一つは校務利用、教員の業務効率化のための活用です。
教育利用の場面では、生成AIが個別最適な学びを実現する強力なツールになる可能性があります。
例えば、児童生徒の学習履歴データをもとに、その子に最適な難易度や説明方法で学習内容を提示したり、つまずきに応じた個別の解説を生成することができます。
従来の画一的なデジタル教材では難しかった、一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応が可能になるのです。
また、生成AIを対話的な学習パートナーとして活用する試みも始まっています。
教科書の内容について質問したり、自分の考えを説明して添削を受けたりすることで、主体的な学びを促進できます。特に、教員が個別に対応する時間が限られている中で、AIが補完的な役割を果たすことへの期待が高まっています。
一方で、生成AIの教育利用には課題も多く指摘されています。
最も懸念されているのは、安易な利用による思考力の低下です。
レポートをAIに丸投げして提出するといった不適切な使用は、学習本来の目的を損ないます。
文部科学省のガイドラインでは、生成AIを「考えるための道具」として位置づけ、その出力結果を批判的に吟味し、自分の言葉で再構成する過程を重視しています。
校務利用の面では、教員の負担軽減への貢献が期待されています。
指導案の作成、通知表の所見文の下書き、保護者向けのお便り作成など、文章作成業務でAIの支援を受けることで、時間を大幅に削減できる可能性があります。
ただし、個人情報を含むデータをAIサービスに入力するリスクや、生成された文章の正確性確認など、慎重な運用が求められます。
文部科学省は、令和6年度中にガイドラインのバージョン2.0を公開する予定としています。
この改訂版では、実際の教育現場での試行事例や、好事例・問題事例の分析結果が盛り込まれる見込みです。
特に、AIリテラシー教育の重要性が強調されると予想されています。
生成AIを適切に使いこなす力は、これからの社会で必須のスキルとなるため、単に使い方を教えるだけでなく、その仕組みや限界、倫理的な問題について理解を深める教育が必要です。
データを使いこなす主体としての教員の役割
教育データ利活用と生成AIの時代において、教育現場には新たな姿勢が求められています。
それは、「データに使われる」のではなく、「データを使いこなす」主体としての意識です。
文部科学省の令和6年資料では、教育DXの本質が「デジタル技術を手段として活用し、教育の質を向上させること」にあると強調されています。
ツールやデータはあくまで手段であり、目的ではありません。目の前の子どもたちに何が必要かを見極め、そのためにデータをどう活かすかを考える。こうした教育者としての専門性は、むしろ以前より重要になっています。
データ活用の推進には、教員のICTスキル向上も欠かせません。
ただし、ここで求められるのは高度なプログラミング能力ではありません。
MEXCBTやダッシュボードといったツールを日常的に使いこなし、データから読み取れることを教育実践につなげる力です。
文部科学省は、GIGAスクール運営支援センターの整備や、ICT支援員の配置促進を通じて、現場の負担を軽減しながらスキル向上を支援しています。
組織としての取り組みも重要です。一部の熱心な教員だけがデータを活用するのではなく、学校全体でデータに基づく対話を行い、組織的に授業改善や生徒指導に取り組む文化を醸成する必要があります。
管理職のリーダーシップと、校内研修の充実が鍵となります。
保護者や地域との協働も欠かせません。
教育データの利活用について、その意義や方法、個人情報保護の取り組みを丁寧に説明し、理解と協力を得ることが重要です。
学校公開や保護者会などの機会を通じて、実際のダッシュボードを見せながら説明するなど、具体的でわかりやすいコミュニケーションが求められます。
さらに、教育データ利活用は、子どもたち自身のデータリテラシー育成の機会でもあります。
自分の学習記録を振り返り、成長を実感したり、次の目標を設定したりする経験は、生涯学習の基盤となります。
同時に、個人情報の重要性や、デジタル社会での自己防衛の方法を学ぶ機会にもなります。
教育の本質は、人と人との関わりの中にあります。
データやAIがどれだけ進化しても、子どもの表情から心情を読み取り、励ましの言葉をかけ、共に喜び悲しむ。こうした人間的な営みは、決して技術に置き換えられるものではありません。
教育データ利活用は、教員がこうした本質的な部分により多くの時間とエネルギーを注げるようにするための手段なのです。
令和の時代の教育は、伝統的な教育の知恵と、最新のデジタル技術を融合させながら進化していきます。
その中心には常に、一人ひとりの子どもの幸せと成長があります。
データという新しい道具を手に、私たちはどのような教育を創造していくのか。
その答えは、現場の教員、行政、保護者、そして社会全体の対話の中から生まれてくるでしょう。

GIGAスクール構想の推進により、すべての児童生徒が学習用の端末を活用する環境が整備されました。
しかし、配備されたICT機器を効果的に活用するには、各学校に合わせた支援が必要です。
児童生徒の習熟度に応じた学習を実現する「きめ細かい学習指導」や、クラス全体の学びを深める「協調的な学習支援」など、多様な学習ニーズに対応できるプラットフォームが求められています。
田中電気は、これらの課題解決に必要な機能を一つに集約し、教育現場の実践的な運用をサポートすることで、児童生徒が自らの力で「主体的で創造的な学び」を実現できる環境づくりを支援します。
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